[エロゲー]つまらない恋(回顧録その3)


 私すら存在を忘れようとしていた回想録。第3段はClearの『TALKtoTALK』。とっと秋が終わる前に終わらしましょうw


 主人公は、クローン技術や遺伝子工学の粋を結集して作り上げられた人工生命体。そのため、彼には喜怒哀楽という感情がなかった。そんな彼の感情育成の実験の場となったのが、とある学園であった。正体を隠し学園生活を送る主人公は、5人の女の子と次第に親交を深めていく。
彼女たちとの交流を通じて、彼の心に感情が芽生えていくのであろうか?


 大体自分の言いたいことは この方に言われているので、正直書く意味ないかなと思いますけど・・・一応自分の言葉で・・・
 設定を見るとSFのようなものを連想しますが、普通の話です。設定で期待していたようなものは、同じような設定のニトロの"Hello,world”に変わってやってもらいましょうwOHPにありましたが主人公は、感情がないのでなく感情を理解するのが、できないと言った方が正確かも。ヒロインの一人樹里が最初に会った時、印象を子供のようだと言ってます。矛盾した言い方ですが、理性的な子供のようなものです。授業前にやることがないから予習したり、授業中に隣の荻野がやっていたペン回しを習って熱中して授業を忘れたり。同級生から天然と言われて、「人工なんだけど」と思ったりします。そんな姿が微笑ましくあり、面白いですね。
 大体の作品は、主人公が無個性だと批判されますが、反対に無個性を逆手にとって話が展開します。設定の件ですけど前々作の『Moon Light』から半年後で、舞台の廃校した学校の受け入れ先の学校でもあります。前々作の設定を上手く利用していますね。問題の作品は廃校でなくても、卒業でもよくねと言われてますけどw他にも店長が出てきたり、ヒロインの1人が出てきたりついニヤリとしてしまいます。
 

 TALKtoTALK直訳すれば、話す為に話す。その名の通り会話中心で、特に大きな出来事は起きません。ヒロインらと会い会話をしたり、ちょっとしたイベントを楽しんだり。面白おかしい日常シーンが主流の物から外れてます。しかし恋愛としてはそのちょっとした事が重要で、それで一喜一憂しますので恋愛物としては本来は王道なのかもしれません。登場人物も抑え気味で他のゲームなら騒動のポジションにいるキャラも良き友人という感じです。ヒロインも同様です。バックボーンがしっかりしてるため人間味溢れる人物像になっています。まぁ1人・・・2人だけ濃いキャラがいますがw
 独特な雰囲気を醸し出してます。ここが私が好きな所でもあります。シナリオは細かいことを気にしなければ、佳作〜良作ラインです。難易度は高めでしょう。ヒロインが好む選択肢ではなく、主人公がそう思うであろう選択肢にしなければなりません。そこに何となく拘りがあると思います。CV陣は、今作がはじめてなのに良い布陣を敷いてくれました。
 

 Clearの作品を家庭料理のようなものだと例えた人がいますが、大作や話題作のようなよそ行きの料理でなく家庭の普段食べている素朴な料理。そんな印象がClearには、ぴったりだと思います。
 シナリオの平坦さ、システムは揃ってながらバグが多い、修正ディスクがないと素直の声が小さすぎる、地味、背景のボブキャラが適当、設定が生かされていないなど欠点だらけ。客観的に見れば6、好意的に見て7.5でしょう。そして決して万人受けしない作品だと思います。ですが自分の感性にぴったり嵌りました。欠点だらけだろうが地味ゲーだろうが、好きなものは好きですからということで纏めさせて頂きます。


法月みさき(CV海原エレナ


 メインヒロインにて要らん子。攻略は彼女関連の選択肢は全問正解正解しないといけません。いくつか共通シナリオにトラップが・・・メインヒロインの意地か?設定が生きているが、肝心のみさきの出番少ないし。Hの後に呟くのは生々しいなー。むしろ共通ルートの恋と愛の違いを語る方が印象的だったりします。まぁ良い子なんですけど、姉の茅乃さんとの会話で良い所掻っ攫って行ってしまうしw実はこっそりと後輩属性を持っているので萌えたりしてましたがw「あなた」は良かった。それはそうと海原さんってこういう正統派のヒロインって少ないですよね。


白倉素直(CVまきいづみ


 一番良かったシナリオですね。実は真のヒロイン?何気にこの方だけバットエンドは、彼女のモノローグがあります。クラス内で孤立している自分と一瑠の違いを言い当てたり、本質をいう名言があったりします。自分自身のケジメの為に頑張る素直とそれを助け見守る主人公。ゆったりと惹かれあう2人。それを果たした時の感情の爆発は見物。こういった一見無感情に見える人間ほど、内で感情を溜め込みますからね。爆発すると凄いですから、『ショコラ』香奈子さん然り。ふとてれる彼女を見ると幸せになりますね。あとカニクリームコロッケにケッチャップをかけるのは、止めてください。


大竹冴子(CV春野日和


 同級生で良き友人というか、他の同級生が無表情にツンデレなので禄なのいませんからねw他のシナリオでも結構出番があったり、主人公に感情を解らそうと、色々としているのも彼女らしいですね。音楽をやっているのですが、彼女と主人公との対比は面白いところです。問題があった時に主人公の素直な問いかけが、彼女の心に突き刺さります。それだけにエンディングは、ほっとさせます。Clearの名物キャラである店長大活躍のシナリオでもあります。これも何気に難易度が高いですね。


川瀬一瑠(CV浅川悠


 ツンデレ。他の安直なものでなく、バックボーンがあって何故そうなったかありますから納得できます。ツンぶりはなかなか凄い。天然の主人公に「謂れなき罵詈雑言を浴びられた」と怒るほど。そのなかでも時折見せる仕草で、根は良い子だと解るところが上手いですね。徐々に態度が軟化する姿はなかなか。その反動で付き合った時の可愛さはかなり。思春期の女の子は、直情的になる子もいるので扱いが難しいですね。


瓜生樹里(CV石橋朋子


 芸術家肌で奔放さと強い母性を併せ持つ。そのキャラクター性ありきのシナリオ。母性で主人公たちを包み込んだり、芸術家肌な面で周りを騒がしたりします。他のヒロインが彼女らの問題を解決することに対し、こちらは大きな問題は既に自分で克服しており、主人公との触れ合いや関係が焦点になっている。結末は、普通の物語と異なりトゥルーエンドとバットエンドが逆転しています。どちらかと言えば二者択一の選択肢から第三の道を選んだようなものです。前向きで主人公に頼らずに決断して、物腰は柔らかですが強い意志を感じました。このような自立しているからこそ、唯一主人公からアプローチをさせた要因になったのでしょうね。
 CVの石橋さんは君望速瀬水月役で有名で印象的ですが、こういう可愛い声が出せるのですね。同一人物と知った時は驚きました。向こうは少し作ったような感じがしてますし、地声はこちらのほうが近いのかもしれません。全く関係ない話ですが、瓜生って普通に変換できますが、意外とメジャーな姓なのでしょうか?知っているのは日本海海戦の瓜生艦隊の瓜生外吉しか知らないのですが・・・


荻野


 主人公の良き悪友。主人公をさりげなく良い方向に導いたり、遊びに連れ回したり良いやつ。馬鹿だけどw共通シナリオのバットエンドは荻野エンドですけど、ある意味一番この作品らしいエンディングらしいのかもしれません。


最後に一言


思い入れが強すぎるのに、


冷静な文章を書いてられる


か!!!


地味ゲー万歳!!!