回顧録
なんとなく殿堂入りした作品を比べてみました
『こなたよりかなたまで』(F&C)
『TALKtoTALK』(Clear)
『僕と、僕らの夏完全版』(light)
『シンフォニック=レイン』(工画堂スタジオ)
こうして見ると自分の趣向性が解るのではないでしょうか?少し共通点を考えてみましょう。
- 独特の雰囲気
あまりギャルゲーしている作品は、好みません。そのライターの持つ雰囲気や作風を楽しむ、作品を通じてそのライターの構築した世界観を共有したりするのが一番の楽しみです。ですからこのような結果に結びつくのでしょうね。
- 詳細な心理描写
『こなかな』ではしぐさや状況描写によって、余計な表現を削り取るという独特の手法を取りました。それだけでは解りずらいので、説明口調が入る場合があります。『僕夏』『S=R』はヒロインに視点にして本筋のストーリーを展開していきました。そのヒロインの揺れ動く感情を巧みに描きました。『T3』は逆に主人公が無個性なのが、ヒロインを写す鏡になり結果的に描いてました。もっとも詳細に関しては他の作品には劣りますが・・・
- 魅力的な音楽
『こなかな』は、歌だけはなくBGMもI'veを使い独特の雰囲気を演出しました。『僕夏』は、樋口秀樹さんによる音楽。欧州系に近いBGMなので日本の田舎に合わないかと思いますが、なかなかよかった気がします。『S=R』が歌メインの作品なので故岡崎律子さんの才能の結晶でしょう。『T3』は地味だけどエロゲーで珍しいギターを多用したりと単体でも聞きたい音楽でした。
- 善悪の狭間にて
正の良い感情もきちんと描いてますが、負の感情も真摯に描いてる姿勢が好感を抱いているのでしょう。『僕夏』『S=R』は特に丹念に描いてます。『こなかな』は優しい世界観に包んでますが、今まで機械的に「敵」を討っていたのに、主人公を触れ合うことによって、疑問を持ち撃つことを躊躇するヒロイン。独善的ともいえる主人公の行動。最終的には彼の独り善がりの行動だったと結論付けてます。『T3』は主人公は「こころ」は「子供」です。彼はことの善悪は解りますが、それが結果的に良いものか判断せずに行動します。徐々にことの善し悪しを相手を鑑みて行動するようになります。
- 地味な作品
そのような作品ですから萌えとか笑いの要素は弱く地味な作品が多いです。これは今までの要素の付加要素でこうなったのだろうかと思います。もちろん自分が地味な作品を好むが大きいですが・・・
ぱっと考えてこのようなものでしょうか?次回から個別に完全ネタばれの批評ような感想を書いて行きたいです。自分にはネタばれなしで客観的に批評する力はありませんのであしからず。