傷ついた医者だけが治療できる

 昨日『ラピュタ』がやっていたのですね。「人がごみのよう」と作画監督丹内司のクレジットだけでも見れば良かった


 仕事から帰って少し横にでもとしたら寝てしまい1時半!5時間以上も寝ていたのね。疲れているんだろうな。特に精神的に・・・というわけで前回宣言した「感想」を書けよと思いながら、これを書いている訳で・・・今は『シンフォニック=レイン』のをちょこちょこと書いてます。プレイした大多数の方々がネタバレなしで的確に表現するのが難しいと言われるように、ネタバレの部分こそ魅力があるものでしてそのネタバレ部分を恐れると本気で非常に抽象的で解りずらい作品であります。
 『S=R』は特に顕著ですが、他の作品もやらないと本当の魅力を伝えるのが困難です。だから買ってヤレと言いたくなる訳ですが・・・wネタバレというものも境界線が曖昧でして、どこまで明かしたら良いのか結構迷う部分があります。よくチャットでかなり突っ込んで冗談でネタバレをしてますが、肝心かなめの部分は明かさないように細心の注意をしてます。物語を抽象化するのが、難しい人間なので人物ごとに分析して書こうかなと思ってます。
 そのような手法にしようかなと思ったのは、自分が感情の機微を描く作品を主食にしているのと好きな心理学のお陰ですね。T3の主人公が国語の授業のことを「見知らずの著者の内面に踏み込んで、精神分析みたいものを行いつつ主題を見つける作業」と語ってますが、エロゲーの感想もその部分が多分にあるわけでして・・・


 少し私が好きな心理学のことを思いつくまま書こうかなと思います。臨床心理学は、「感情」を主題にした学問と言えるでしょう。私は小学生の頃吃音が酷くて担任の薦めで、週一学校を早退して遊戯療法を主体にしたカウセリングを受けたことがあります。傍からみれば一緒に遊んで、話をするだけです。しかし、「遊び」を自由にやらせつつ監督するという矛盾した行動を治療者が行います。箱庭療法など同様です。よく簡単にカウセリングと言いますが、ただ単に悩みを聞く訳ではありません。悩みを聞きつつ相手の「治す力を引き出す」ものでして、クライアントに何かしろとか言う指示は厳禁です。クライアントの悩みや話を聞き、時には誘導して分析し誘導し気付かせて「治す力」を引き出すというかなり高度な事をします。相手は本気ですからカウンセラーも本気でないといけません。カウセリングの最後の時間に、包丁を治療者に見せつけ先生が見捨てるつもりでしたら刺すつもりでしたと明かした話もあります。非常にデリケートなことだと解ることでしょう。河合隼雄氏の『ユングと心理療法』が面白いでしょう。本来は専門家向けに書かれた物ですが、氏の文章が大学受験によく取り上げるように、彼の文章力のお陰でかなり読みやすいものになっており「こころ」の難しさが実感できるものだと思います。また、心理療法の基本的な考え方をおさえた上で、具体的事例が豊富に提供されているので読んでいて楽しい物だと思います。あとここが私が言いたいことを的確で端的に纏めているので解りやすいでしょう。


 当方はユング派ですが、ユングほど20世紀の思想に多大な影響を与えながら、誤解を与えた人物はいないかと・・・彼の広めた言葉、タイプ、内向、外向、コンプレックス、自己実現どれも聞き覚えがある言葉ですが本来の意味から外れて使われています。そんな誤解を誤解を与えるほど彼の分析心理学、もはやユング思想と言っても良いですが遠大で深いものはありません。ではユング心理学の中身については後ほど・・・大樹さんは力尽きた・・・