ゆったりとした流れの中で

 連休がなかなか取れないない仕事なので、家で引き篭もってのんびり読書でもしてます。どうせ何処か行っても混むだけで疲れるだけですしwまぁ最終の明日には友達と会う予定ですが・・・『逆説の日本史』を読んでいるのですが、『ローマ人の物語』のように1人の人が書いた通史は、一本筋が通っていて面白いです。例え初歩的なミスが多くても、歴史を眺める視点は個性的で面白いです。
 豊臣秀吉徳川家康のことが書かれているのを読んでいるのですが、秀吉の織田家乗っ取り、関が原の戦いなどでの「逆算の考え」を論破していく姿は楽しいです。歴史は解答欄が埋まっている答案用紙なものです。後世の人間は答えを知っているから、それが当たり前で気に止めませんがそこが歴史のターニングポイントだったこともしばしば。後世の視点から歴史を俯瞰的に見ることも大事ですが、当時その人間になって考えていくことも歴史を学ぶことにおいては大事だったりします。
 

 徳川家康は、織田信長豊臣秀吉と異なり天才型の人間ではありません。あくまでも他人や歴史や書物から学び、長い経験を経て天下を取りました。典型的な秀才型の人間といってもいいでしょう。それでもそれが徹底しているから、ある意味天才的な人間です。同じ間違いは二度しないし、歴史や人間心理に精通しているから同じような局面に立った時より良い手を打ってくる。短期的な視野に立たずに長期的な視野に立つ。これは先の2人と同じですが、局面を打開するアイデアは自己流です。対して家康は独創的なアイデアには乏しいですが、他に学ぶ姿勢を取り入れてるので、凡人な我々でもその姿勢は参考になります。
 何かを習う時は、人に付いて習い根気強く習得していく。それも大事なことですね。書かれてなかったですが彼の性格についてです。先の2人は、大体素ですが、彼は違います。子供時代、今川義元の屋敷で立ち小便したり、信長の制止を押し切って武田信玄と三方ヶ原であえて戦い脱糞しながら逃げ帰るように、巷で言われるような「石橋を叩いて渡る」ような性格では本来なかった。また子供の信康、結城秀康、孫の松平忠直、辻斬りをして楽しんだ徳川家光いたように環境もあるでしょうが、勇猛、それを通り越している子孫が思いの他多いです。逆に徳川秀忠のようなミニ家康で妙に律義者のタイプもいますが・・・徳川家康は自己鍛錬で本来の性格を矯正していったのでしょう。そういう意味でも手本にすべき典型の1人だと考えています。