だからボクの耳はこの夏と空と海を忘れない

 9月に仕事で部署内の担当が変わったので、多忙でした。まぁ、4月のように、部署どころか仕事場の場所が変わった訳ではないのですが、基本的にやることは同じです。しかし、新しい担当ですので、体力的よりも精神的に疲れますね。上は私に、管理業務や設計をやらせる意向とか、風の噂で聞きました。あの私、文系の大卒ですけど、設計なんかできるものなんですか?
 
 何処へ行くの、俺

 
 さて、時間をちょこちょこやってやっていた、枕の『H2O』をフルコンプしました。ケロQスタッフらしく、テーマ性が強い尖った作品でした。エロゲーのテーマで「差別」を扱い、それを体当たりで取り組むあたりあそこらしいと思いました。付属の冊子の中にある対談にもそれについて、言及されてましたが「差別」は悪い事だからなくそう。だからと言って様々な事情が含みそう簡単になくならないし、「差別」と「区別」の違いも受け取り方1つで変わってくるものだし、「逆差別」の問題もある。本当に難しい問題です。
 「差別」の描写がない場面は、デフォルメ絵を多用したり、ほのぼのしたストーリーでした。それとデモを見た印象の透明感と言いますか清涼感が漂う雰囲気でした。地味ゲーの部類に入れても構いませんね。これは・・・BGM、歌、CV共に及第点。BGMはほのぼのしてるし、歌も結構好きなのでサントラ発売されませんかね。
 評価は主観は8、尖った作品で万人受けしないと思うので客観7としましょう。

 
 ケロQと言うと好きか嫌いかと聞かれると、結構困るメーカーでもあります。どの作品をプレイしても感じる事ですが(モエかんは積んでいます)、場面ごとにこれはホームランかと思うとぎりぎりファールになったりと、正体不明な部分があります。その正体は、なんだろうかと考えると、多少の哲学の違いのかもしれません。あそこは、エロゲーのメーカーでも哲学的な色が強い所で、私も学生時代、梅原猛河合隼雄ユングを愛読していて知らずに哲学的な性格を見につけていたので、その両者の違いなのかもしれません。あとは、テーマに対して体当たりで当たる姿勢とかは好きです。
 体当たりと言うとねこねこソフトもそういった面がありますね。『銀色』系列だとテーマを前面に押し出して、それに向って体当たりで向う姿勢があります。それとクリスマス企画やエイプフール企画など馬鹿なことを、本気で体当たりでやる所が好きです。あと、あそこは職人気質が強いことが良くも悪くも作用した一面があり、そのせいで解散したようなものだと思います。

 
 好きなメーカーと言えば、もう跡形もないClear。地味だけど何処か優しく、独特の雰囲気を持つメーカーでした。ディレクターの秋津環さんの色が強い所でしたね。これも潰れましたが、EMUも好きですね。メインのライターの門司さんは、色々癖のあるライターでした。抽象的なテーマで、エロゲーでは珍しく3人称の文体で、ギャグパートでははっちゃけって展開していきます。最終的にストーリーは、鬱に持って行き綺麗に収束していく。『雨に歌う譚詩曲』を再プレイして、再確認したのですが、彼の考えというか思想は好きだったりします。『Blue-Sky-Blue【S】〜空に舞う翼〜』は、自分でもよく解からない部分があったので、暇を見つけ再プレイしたいと思います。
 他に好きなメーカーは、PULLTOPですね。最新作の『PRINCESS WALTZ』やっちゃた感は、ありますが軽妙でテンポが良くほのぼのとした日常パート。あまり背伸びをしない安定したシナリオで、最新作は背伸びして失敗した感が強いです。見る機会の多い立ち絵に力を入れたりとかファン投票で票が入ったキャラに台詞を入れたりと、ユーザーを大切にする姿勢が好感を持ちます。意外に好きなのは、F&Cです。一応シナリオ重視の人間で、絵だけシナリオはスカスカと言われ私にとって鬼門のようなメーカーですが、『ホワイトブレス』のように地雷扱いされてるものも好きですね。あそことは馬が合う時がある時があい全体的に雰囲気が好きです。