皆既日食


 式が近いので、身辺整理。特に浮気とかはしてませんが、携帯を盗み見られて要らぬ誤解を受けたくありませんから。メアドも変更。間違って登録してしまったので、2度手間に友達、身内からブーイングの嵐。「あなた誰?」と返信されるほどw


 サラブレットの語源はThorough(徹底的に) + bred(改良された品種)。その名の通り、近親交配や極端な淘汰の末、今のサラブレットが存在します。
 競馬の血統を勉強すると初めに、全ての馬は父系(サイアーライン)を辿れば僅か3頭の馬にたどり着く。ゴドルフィンアラビアン1724、バイアリーターク1679、ダーレーアラビアン1700。大体日本では江戸時代の5代将軍徳川綱吉から8代将軍徳川吉宗の治世の前半にあたります。例えばディープインパクトは、25代先の先祖がダーレーアラビアンナリタブライアンオグリキャップも同じ。トウカイテイオーは、25代前の先祖がバイアリーターク。特にゴドルフィンアラビアンは、数奇な運命で「名馬風の王」という児童文学になっています。
 
 少年アグバと子馬シャムの旅は、フランスの宮殿が終点ではなかった。牢獄に送られたり、はなればなれになったりしながら、イギリスに渡りついた。“小むぎっ子”の暗示どおり、不運の連続の旅だった。この物語の主人公の子馬シャムこそは、のちに競馬界で名をはせる、サラブレッド種の親馬だったのだ。この名馬の半伝説的な話は、アメリカの女流作家、ヘンリーによってまとめられ、1948年に出版された。アメリカ図書館協会ニューベリー児童文学賞受賞作品。


 誤解されやすいですが、元々3頭でなくアラブからイギリスに、数多くの馬が輸入されて結果的に勝ち残りました。またこれらにイギリス在来の牝馬と交配されました。結果的に父系に大きく寄与したのが、ダーレイアラビアンの玄孫(孫の孫)エクリプス1764、バイアリータークの玄孫ヘロド1758、ゴドルフィンアラビアンの孫マッチェム1748が非常に大きく、この馬らの血を引かない馬は存在しないと思れます。ですのでよくエクリプス系とか言われています。
 

 サラブレットの構成は、エクリプス系が95%、ヘロド系が4%、マッチェム系が1%となっています。圧倒的にエクリプスですが、実はマッチェム系は母の血として優秀で、エクリプスの母の父(ブルードメアサイアー)はゴドルフィンアラビアンの子(産駒)。この辺の事情は、映画化された宮本輝の「優駿」を読むと、日本での生産の中心社台グループとともに解り易いと思います。

 世界一有名な名馬Ecripse(エクリプス1764)

 1764年のエイプリルフール、皆既日蝕の日に誕生したため、「日蝕」を意味する馬名を与えられた。皆既日食がなかったという説もある。何しろ昔の話であるから、エクリプスの競走成績については文献によって18戦18勝から26戦26勝まで様々な説があるが、一度も負けなかったことだけは確かなようだ。

 として「Eclipse First, the rest nowhere.(エクリプス1着、他はまだ見えない)」というオケリー閣下の名言がある。この表現は、他の馬が見えないほど離されているという訳ではなく、ヒート競走のルールで入着を認められる地点に他の馬が達しない、という意味の誤訳であるらしいのだが、長い間そのような誤訳がまかり通ってきたこと自体がエクリプスの偉大さを証明しているのではないだろうか。さすが競走馬の父。