「慣例」


証人喚問議決、共産「賛成は間違いだった」と異例の見解
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071129ia22.htm


 よくやった共産党!ただの批判でなく、党利党略で慣例を捻じ曲げる民主党に正論で返してくれました。お陰で民主党も折れて、額賀財務相の証人喚問がなくなりました。最近格差社会の問題で憲法や防衛問題のようなイデオロギー以外は、割と共産党社民党は自分と近い考えです。ただ世界がグローバール化の中で、経済問題でアメリカ式でない別の道を模索するのはまだまだですね。アメリカ式も低所得者向けローンで打撃をくらいました。また「何でも民営化」もエンロン社の件や耐震偽装問題やコムスン問題で完全に破綻していますしw
 確かに悪しき慣例も存在して、それは是正するすべきでしょう。建武の新政の時に、やることなすこと公家が前例がないと言って切れた後醍醐天皇が「今の例は、昔の新儀なり。朕が新儀は未来の先例たるべし」。自分は後醍醐帝の評価は最悪ですが、これには大賛成です。
 ただ、簡単に慣例を破ったり、新しいことをして結果的に「悪しき慣例」を作ることもしばしば・・・慣例にはこれまでの信頼関係や何か理由があってのことです。慣例を破るには、それを納得できる理由がないと・・・守屋容疑者は、額賀氏の同席を主張しましたが、当人は否定してアリバイも一応ある。それを民主党は打ち破ってもいない。例え同席していたとしても、それが事件に直接結びつくとは限らない。これでは、全会一致を原則とする慣例を、打ち破るほどには力不足です。
 

 それに民主党は、この慣例を破る危険性を充分認識していません。これをやれば、望み通り参院ではやれるでしょう。でも衆院は与党が過半数を持っています。逆に何か民主党議員に疑惑ができれば、与党に攻撃されて足元を掬われて政権交代は夢のまた夢・・・
 アメリカもそう。私が開戦から反対していたイラク戦争大義名分。民衆を圧迫するフセイン政権の打倒。民衆を圧迫しているのはイラクだけでなく、世界に無数にあります。それらを敵にして倒さないと大義名分は成り立ちません。なんせ「内政干渉」の国家間の「慣例」を破るのですから。北朝鮮は勿論、人権問題どころかチベット問題を抱える大国の中国とも戦争をする気なのですか?それをしないと筋が全く通りません。
 近代戦では敗者から勝者に国家賠償あるいはそれに類する領土や既得権益の割譲が「慣例」でした。それを東京裁判で「近代にて戦争の勝者が敗者を裁く。それも個人を対象にする悪しき慣例」を作って、虐殺はあったとはいえフセインを処刑しました。ただ国際裁判でなく傀儡政権での国内裁判でしたが・・・だったらもし逆だったら・・・イラクが勝っていたら東京裁判のように開戦責任を問われて、捕虜虐待の罪も問われてブッシュが処刑されていた可能はあります。なんせ東京裁判では、実行命令をした武官だけでなく、政治家や外交官のような文官すらも罪に問われていましたから、ブッシュ政権の中枢は根こそぎ裁判にかけられていた事でしょう。
 「新しいことをやること」は「後世の慣例」になり、作った本人すら拘束します。「新しいことを実行すること」で「慣例」を崩すことはその影響をもっと考慮するべきでしょう。