将たる所以

　昨日参院戦で自民党が歴史的大敗北をしましたね。このような地殻変動的な原因は、年金など長年鬱積した膿と安倍総裁の采配ミスが一気に出たのしょう。
　前任者の小泉前総理は、派手で人を惹きつける人間性に重要閣僚を経ずとも長年の議員経験がありました。そして勘の良さ持続する意思を終始持ち、その為には血も涙もないことを平然とこなしました。これは政治家として明確な目標を持ち成し遂げる事は最大の資格でしょう。私が郵政民営化に賛成しかねるとはいえ敬意すべき点です。また世論や人間を見る目は、冷酷ともいえるほど冷静で世論を背景にしているがそれを盲信せずに誘導する。議員も無条件に信用せずその気になれば、公認権や猟官をちらつかせば転ぶと睨んで逆らえば徹底的に潰す。自身はそんなものでは動きませんがｗ普段は独裁的手腕を極度に嫌う国民性だが、潜在的に独裁制を望んでいるのを見抜き大統領制のような政治手腕を使いました。

　対して安倍総理は、大統領制的手法を小泉氏よりも望みましたが、それを遂行する経験も能力も絶対的に不足している。またそれを補うスタッフも不足、常識人すぎて抜本的な改革に取り掛かるころができなく、また決断力が絶対的不足。小泉政権が極度な体制なので、反動で皆で話し合おうという流れに逆行。これらの通り自身とそれを取り巻く環境の認識不足が大変大きい。総裁選で支持した人間は、安倍総理の国民的人気に目を付けた人間、自身は絶対的に総理になる経験が不足している。要はただの神輿だった。
　神輿を担ぐ人間は自身の利益にならなければ、担ぐの止めます。大統領制的手法に固執して、人が離れていくのを気付いていたのか？気付いていても自分の能力で行けると思っていたのか？自身は常識人なのに国民からみれば定石を打たずに、変な手を打って勝手に自爆しただけですね。確かに年金問題と国民の関心度が非常に強く難しい問題が噴出したが、真摯に的確な手を打つ姿勢が国民からみられなかった。年金問題は、年金制度そのものが破綻するので、新しい年金制度を作り上げる姿勢だけでも見せてもかなりの支持が貰えたのでは？
　彼はどうすれば良かったのというと大人しく神輿に乗っていれば、良かったのです。神輿に乗っているのか、乗らされているのかでもかなり異なります。源頼朝は、源氏の貴種ということで半平家、半朝廷で御家人に担がされました。自身はほとんど丸腰の兵力しか持たずに、自身が神輿という認識がありました。神輿が御家人の意思と異なれば、他の貴種を神輿として担いでいたのを理解していました。頼朝は、御家人と自身の利益を上手く誘導をして鎌倉幕府という史上初の武士独自の政権を打ち立てました。安倍総理も大人しく総裁任期２回ぐらいは修行だと思って、大物閣僚などを起用して手堅く地道にやっていけばよかったのです。総理としての経験と実績を経てから３期目あたりから、自分主導で動くようにすれば良いのです。まぁ私が彼ならそう動きましたね。

　さてさて安倍政権続行のようですが、彼はどう動くか？これから数ヶ月が政治生命を賭けた正念場ですね。