翼に力を

 『Blue-Sky-Blue【S】〜空に舞う翼〜』再プレイ終了。約2年半前にプレイしたのですが、自分の中で消化不良をおこしていました。ですので何か機会がある時に再プレイしようとしていました。再プレイしてみて、emuの最高傑作ですね。個別シナリオからの分岐が短いのが欠点でしょうか?ただメインテーマが収束しているので、仕方がない面がありますね。主題歌の「空に舞う翼」も作品に合い名曲ですし。emuの作品を地味ゲーとあまり意識したことがありませんが、地味ゲーで間違いないです。
 ただプレイし終えても何かもやもやしている部分があります。180本近くプレイしましたが、このような気分になったのは初めてです。確かに抽象的で観念的なテーマや台詞が難解で解りずらい部分があり、それでいってさわやかな雰囲気ゲーでもありません。しかし、ライターの門司氏の言葉の使い方が上手いと感じました。台詞の言い回しやト書きに絶妙としか言えないですね。
 この作品を好きか嫌いかと言えば好きと即答します。何と言えば解りませんが、微妙な違和感があるのが事実です。おそらく抽象的なテーマや言葉使い方の巧みさが、逆に上品過ぎてそんな印象を与えるのかもしれません。人によっては、糞ゲーと思われても仕方がない面があります。このライターを癖があるが、はまれば芳醇に感じるブールーチーズに例えられてます。まさにその通りだと思います。
 自分は複雑のようで単純な部分がありますので、この作品よりも前作に当たる『雨に歌う譚詩曲〜A rainbow after the rain〜』の方が好きですね。人の死の喪失感を描いたり、自分を変えようと足掻いているメインヒロイン。自分を変えるチャンスをどう生かすか。それに対する意志や物事の捉え方を変えるなど自分の心に残りました。こちらの方が色々と完成度は落ちますが、好きですね。


 さて今週は、早狩武志さんの『潮風の消える海に』が発売されますね。他は興味ありませんw先行してダウンロード発売されてプレイした方の感想を眺めると短いようですけど、なかなかの評判のようですね。『僕と、僕らの夏』『群青の空を越えて』にどこまで迫れるか楽しみであります。